薔薇のソムリエ小山内健さんの紹介

小山内健さんは、バラの栽培、品種の鑑定などに携わる、
京阪園芸(けいはん)のバラのスペシャリスト。
TVチャンピオン
「全国バラの花通選手権」2回制覇というすごい
経験もある彼は、ローズセミナーや講演会、テレビ出演、執筆など、
各方面で活躍しています。
その経験の豊富さから園芸業界では
「バラ鑑定士」、「薔薇のソムリエ」などとも呼ばれていたりします。
ここでは、そんな彼のこれまでの歩み、現在の活動について
ご紹介させていただきます。
彼をもっと身近に感じられるはずです。

でも、そこは東京とは違い、まだまだ緑の豊かな土地。
春・夏・秋・冬…と、季節によって表情を変える、野草や木々たち。
朝から夕方まで、そこで遊んでいるうちに、「自然」に対して興味を持ちはじめます。
植物にとらわれず、昆虫、鳥、天体…と興味はひろがり、自然の中から多くのことを学んでいきました。
中学校では、園芸クラブに入部。 根っからの植物好きだった彼は、高校も農業系の学校を選び、進学することに。
そこで本格的に園芸の道を歩みはじめますが、高校のときのクラブは漫研だったとか。
このころ、いろいろと頭の中で考えることが、好きだったんでしょうね。


高校卒業後、タキイ種苗の研究農場付属園芸専門学校に進学しました。園芸界の武者修行の場として知る人ぞ知る同校は、きびしいことでも有名。
彼は、あえてこの世界で、心身を磨きたかったそうです。
「毎日が肉体労働…精神的にも鍛えられましたね。まさしく修行という感じでした」とのこと。 卒業後、今の京阪園芸に入社。
バラの部署に配属され、文字通り“イバラの道”を歩むことになります。
すぐにバラの交配とオールドローズやアーリーを含む、すべてのバラの保存や品種同定が仕事となりました。
このとき、「現実」での難しさを実感。混乱しながらも、1歩1歩と実践経験を積み上げていったそうです。
バブルの時期…多忙な毎日にカラダを壊してしまいます。 彼は、それをきっかけに、“女性にも簡単な栽培法”を模索するようになります。 度重なる失敗の経験をベースに、何度も…何度も……。
そうしたなか、小山内さんは、“見せたいビジョンによって育て方が違う”ことに気づいたそうです。
「それからは試行錯誤しながら、自分だけの“見せ方”を 追求していくようになりましたね」


2000年の頃、仕事に迷いが生じたという小山内さん。
自分のもつ技術、知識や仕事に疑問をもち、いろいろ悩んでいたそうです。
そんな彼に舞い込んできたのが、TVチャンピオン出演の話。
全国屈指のバラ通たちが集う「全国バラの花通選手権」です。
「自分の技術や知識がどこまで通用するのか、最後に試してみたい」。そう考え、出演を決意します。

結果、TVチャンピオンの「全国バラの花通選手権」でV2という偉業を達成!これには、
出場した本人もビックリしたとか。
「その頃からは、迷いや悩みがきれいになくなりました」と彼はいいます。バラをいっぱい咲させられるよう、
バラ好きのひとのお手伝いをしていくこと。それが自分の新しい目標になっていきました。
現在も、この目標を胸に活躍している小山内さん。今後もさらに彼の思いは、大きく広がっていくことでしょう。

テレビ出演中の小山内さん。
『趣味の園芸(NHK)』、『よ~いどん(関西テレビ)』など、出演番組は多数。
もともとテレビ出演は苦手だったそうですが、最近はようやく慣れてきたそうです。テレビに出るようになって、ファンレターの数が増えたとか…。
セミナーの講師を務める小山内さん。
テレビに出演していることもあり、セミナー会場では握手やサインを求められることもあるとか。
「小山内さんをナマで見たい!」という方、春と秋は全国各地をまわっているそうなので、セミナー情報をこまめにチェックしてみては?


執筆活動にいそしむ小山内さん。
各種園芸雑誌での連載が数本、単行本として『アーリーモダンローズ』『オールドローズ』なども執筆(ほか共著多数)。
また、毎年に1回9月に発行されるバラのカタログ『ROSE COLLECTION(京阪園芸)』の監修から執筆まで、ほぼすべてを制作。
ほぼ1年中、なにかと多忙をきわめ、気の知れたスタッフたちですら話しかけるのをためらうほど…。
カラダを壊さないように気をつけてくださいよ!